アパレルの接客で必ず必要な技術がファーストアプローチです。
売り上げを取るには声かけが必要ということはもちろん、ファーストアプローチをすることでお客様のテンションを確かめることもできます。
しかし、アパレル販売員になったらまずこのファーストアプローチが緊張してしまいがち。
上手いアパレル販売員はファーストアプローチからお客様の心を掴むことができますが、そうなるまでには経験と慣れが必要です。
少しでもファーストアプローチに抵抗がなくなるよう、この記事ではファーストアプローチにおススメの声かけをご紹介します。
オリジナルの声かけができれば素敵ですが、慣れるまでの間や振り返りの参考にしてみてください。
この記事を書いたのは▼
筆者について |
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アパレル歴11年 百貨店 駅ビル ショッピングモールの様々な店舗で勤務 後半2年半はチーフとしてマネジメントを経験 |
目次
触っている商品に偏りがある客様編 ファーストアプローチ【同じアイテム/同じ色など】
ファーストアプローチはある程度パターンに当てはめて行うことが可能です。
それぞれの特徴に合わせた声かけフレーズをご紹介します。
まずは見ている商品に偏りがあるパターンのファーストアプローチです。
「〇〇をお探しですか?」
お客様が気にしている商品に特徴がある場合は、まずお客様に確認してOKです。
ブラウスばかりを触っている
靴を眺めている
黒の服ばかり見ている
このようなタイミングは確認しやすいですよね。
例えば「ブラウスをお探しですか?」
この問いかけに対してお客様自身は悩まず簡単に返事ができるので、返答してもらいやすいです。
はい。白のブラウスが必要になって
ショートブーツを探してて
このように話してもらえれば、販売員は自然に接客に入ることができます。
そういうわけではないんだけど、なんとなく目について…本当は〇〇を探してます
実際は見ているものとは違うアイテムを探していた場合も、この声かけで教えてくれる可能性があります。
直球で質問する場合答えも明確なので、的確なオススメがしやすくなりますよね。
「よろしければあちらにも近いアイテムがあるので、ぜひご覧ください」
店内の他のエリアに似た商品がある時は、そのエリアを伝えてみるのも効果的です。
例えば、定番のVネックニットばかりを見ている方に対して
あちらにこのニットに似たVネックのニットがありますので、良ければ見てみてください
そう伝えることができれば、お客様がそちらも見に行くかもしれません。
そうなれば自然とセカンドアプローチに入りやすくなります。
そしてお客様の求めるポイントに気づくこともできるので、よりお客様に合わせた接客ができます。
先に見ていた商品と比較もできるので、試着率アップも。
同じ商品をずっと気にしているお客様へのアプローチ
例えば
前面に置いている商品が気になってずっと立ち止まって見ているお客様
店内を回遊する中で何回もその商品を見に戻るお客様
気になるんだな、ということがわかるお客様に対してのアプローチ方法についてまとめました。
「この〇〇な部分がアクセントになりますよね」
商品のポイントを伝えて、あえて共感を促す言いまわしがファーストアプローチに入りやすいです。
これを伝えるときに意識していたことは、かわいいですよね・きれいですよね、といった断定した言い方にならないようにすることです。
その商品の、好みが分かれそうなポイントをあえてピックアップして、
「〇〇な部分がアクセントですよね」
こう伝えてみた時に、お客様の反応がプラスかマイナスかを確認していました。
本当に共感を狙っているわけではなく、お客様の好みを把握するためにあえてポイントを伝えるという目的です。
例えば
このブラウスは首元の大きなフリルがアクセントになりますよね
「首元のフリルが好き嫌いがわかれるポイント」だと考えて、お客様にフリルが好きかどうかこっそり確認したいという意図があります。
ねー、かわいいですね
このように好反応なのか、
いやー、フリルは苦手なんですけど、この色が良いなーと思って
フリル部分についてはマイナスに思っているのか。
「このブラウスは首元の大きなフリルがアクセントになりますよね」
この質問で、そのままオススメするか別なものをオススメするか、接客の流れが変わります。
フリルは苦手とわかっても、色が気に入っているという情報が手に入れば同じような色の商品を勧めることはできますよね。
もしくはフリルがついていないブラウスのご案内もできます。
ひとつの質問からさらに色々な可能性を引き出すことが可能です。
「おサイズが他にもあるので、ぜひサイズ感も比較してみてください」
しばらく眺めていたり鏡でシルエットを合わせている方には、他にもサイズがあるということをファーストアプローチで伝えます。
商品を気にしていることはわかるので、お客様がわからない情報をすぐに提供してしまうという目的です。
すでに良いかも、と思っているお客様はサイズのお話をきっかけにフィッティングのご案内もスムーズにいくことが多いです。
特にボトムを触っているお客様はサイズ感を確かめておきたい場合が多いので、早い段階でサイズのことに触れていました。
サイズに触れずいきなり試着を勧めると、「買わなきゃいけない」というプレッシャーを感じるお客様もいます。
はじめは試着というワードを使わずにアプローチする方が、結果的に試着へつなげやすいです。
「すぐ近くにお鏡ございますので、合わせるだけでもぜひご覧ください」
商品を気にしているけれど見てるだけの人には「気軽に合わせてみて」という気持ちでお伝えすると、店内で商品を持ち歩くことの抵抗感を少なくできます。
この声かけで商品を鏡に合わせに行くお客様は、かなり商品への関心が高いはず。
逆に商品から離れる方は接客されたくないと思っている方が多いので、動的待機をしながら様子を伺うようにしましょう。
一度離れてもまた戻ってくるパターンもあります。
その時は様子を伺いつつもう一度声をかけに行くとファーストアプローチの時よりも反応してくれる方が増えます。
キョロキョロ店内見渡しているお客様へのアプローチ
次は店内を見渡しているお客様に対してのアプローチ方法です。
気にしている商品が一見わからないので難しく感じますが、慣れてしまえば気軽に声をかけやすくなります。
「何かお探しのものがございますか?」
店内見渡しているお客様は欲しいものが明確だったり、前回見ていた商品を探して再来店された可能性があります。
かなりの確率で反応してくださるので、必ず声かけをしましょう。
探しているものが明確な「目的客」はニーズに応えられる商品が見つかれば、おまとめ買いになる可能性も高いです。
ショップの売り上げに貢献できるチャンスですね。
「お手伝いできることがあれば気軽にお声かけくださいませ」
これもひとつ前のファーストアプローチ同様、目的がありそうだとわかった上で伝えると効果的です。
お客様はすぐに反応が無くても、そのあと確認したいことがあれば声をかけてくれた販売員に話しかけることが多いです。
接客に入るための種まきのような意味もこめて、自然にお伝えしてみてください。
セレモニー服、会食用のようなお客様自身どう選べばいいか悩むものや、下見でだけ場合も「相談してみようかな」と思ってもらいやすいです。
そこで相談にのることができれば、次回再来店された時にあなたを目がけて来店される可能性も。
店内をまんべんなく回遊されるお客様へのアプローチ
店内には長い時間滞在されるけれど、
・気になる商品があるわけではなさそう
・探し物があるわけでもなさそう
このように感じてしまい、声をかけるタイミングが難しい時もありますよね。
でも落ち着いた店内でじっくり滞在されると、接客につかないとまずいんじゃないか。
こんな考えもよぎり、困ってしまうこともあるのではないでしょうか。
そんな時にまず試してみてほしいファーストアプローチをご紹介します。
「気になる商品はぜひ手に取ってご覧くださいませ」
色んな商品を手に取る方やくまなく見ているお客様は、定番のふんわりした声かけでもOKです。
- 目的が定まっていない
- 待ち合わせの時間つぶし
このように買う気がない場合が多いからです。
いきなり商品のオススメをしたり、すごい勢いで声をかけてもかえって嫌がられてしまいます。
そうは言っても一切話しかけないということはできないですよね。
お客様から気になることを聞いてもらうきっかけ作りや防犯の意味も込めて、ファーストアプローチは必要です。
買う気がなかったとしても店内に滞在された方が他のお客様の呼び水になります。
長く滞在してもらうため、「気軽に商品を見てください」という意味を込めてお声かけすると、お客様にとっても過ごしやすい空間になります。
声をかけた時の反応が明るい雰囲気であれば、お洋服以外の話をしてみるとその後お洋服の接客に入れる可能性も。
今日朝から雨ですけど、来るとき大丈夫でしたか?
お仕事おわりなんですか?
内容は簡単なもので問題ありません。
ちょっとした世間話をしておくと、店内に安心して滞在してもらえるきっかけになります。
「買うつもりなかったのに買っちゃった」というお客様は、心地よく滞在してもらえた証拠でもあります。
「ちょうど新作入荷も致しましたので、ゆっくりご覧くださいませ」
新しいものが入荷しているタイミングならファーストアプローチでお伝えし、店内回遊を促してみるのも効果的です。
特に駅ビルのような人通りが多いショップ、通勤経路になりそうなショップは日常的にショップの前を通るお客様もいるので、
「新しいものあるんだ。ちょっと見ていこう」と思ってもらえることがあります。
いつもショップの前を通る方だと多少のレイアウト変更だけでは変化に気づいてもらえない可能性があります。
声かけで新作がある、イベントが始まっているなど、新しい情報をお伝えすれば興味を持ってもらえる可能性は上がりますよね。
まとめ
4パターン別にファーストアプローチで使いやすいワードをご紹介しました。
入店されるお客様の目的はさまざまです。
その中でお声かけするアパレル販売員のあなたは、きっと試行錯誤しながら接客に向き合っているはず。
改めてアパレル販売員の技術はすごいと実感します。
アプローチの仕方にこれ!という決まりはありません。
ファーストアプローチが苦手
いつもワンパターンになる
もしこのような悩みがあるなら、試しにご紹介したアプローチにもチャレンジしてみてください。
アパレルの接客がより楽しくなれば幸いです。