アパレル販売員を続けると、色々なお客様に出会います。
お客様目線で、お客様の要望に応えて。
お客様第一の対応を求められ、多くの販売員はもちろんそうしたいと思って仕事をしています。
しかし接客しながら、内心で「困るなぁ…」と思う瞬間も意外とありますよね。
そこでアパレル販売員にはわかる、「あるある!」な場面をまとめてみました。
自分だけじゃなく、やっぱりみんな気になっちゃうよね。
こんなポイントを見つけて、気楽な気持ちで見てもらえると嬉しいです。
この記事を書いたのは
アパレル歴11年
百貨店
駅ビル
ショッピングモールの様々な店舗で勤務
後半2年半はチーフとしてマネジメントを経験
目次
- 1 実は困ります!お客様あるある
- 1.1 ①ラックにかかった商品のそでやすそを引っ張ってながめる
- 1.2 ②勝手に試着室に入ってしまう
- 1.3 ③試着室から長時間出てこない
- 1.4 ④試着室に大量の商品を持ち込んで長時間試着
- 1.5 ⑤グループで来店され、試着室を独占
- 1.6 ⑥スタッフと世間話だけして帰ってしまう
- 1.7 ⑦何度も同じ質問をされる
- 1.8 ⑧質問するけど話を聞いていない
- 1.9 ⑨接客中こちらの話をずっと否定される
- 1.10 ⑩接客に割り込んで話しかけてきたお客様にずっと捕まる
- 1.11 ⑪宗教の勧誘をされる
- 1.12 ⑫他店販売員の愚痴を言われる
- 1.13 ⑬悩み中なので取り置きしてほしいと言われる
- 1.14 ⑭返品前提で商品を購入しようとする
- 1.15 ⑮お客様都合の返品
- 1.16 ⑯取り置き期間が過ぎても来店なし。電話をしてもつながらない
- 1.17 ⑰電話で長時間拘束される
- 1.18 ⑱他のお店で買った商品を預かってという
- 1.19 ⑲ゴミ捨てておいてくださいと言われる
- 1.20 ⑳飲食しながら商品を見る
- 2 まとめ
実は困ります!お客様あるある
①ラックにかかった商品のそでやすそを引っ張ってながめる
ラックにかかっている商品の、服の袖やすそを引っ張ってながめているお客様、けっこういますよね。
悪気があってそうしているわけではないのはわかりますが、ちょっと気になる行動のひとつではないでしょうか。
コットンのTシャツのようなしっかりしたものならまだ平気ですが、商品の素材によっては服が伸びてしまいます。
ネックの開きが大きい服はハンガーからずり落ちてしまうことも。
お客様によっては落としてしまった商品をそのままにしたり、ラックの上にひっかけてしまう人もいます。
これはアパレル販売員だから気が付く、ちょっと困るポイントのひとつです。
②勝手に試着室に入ってしまう
販売員から試着のご案内をすることがほとんどですが、何も言わず試着室に入ってしまうお客様がいます。
とくに、バタバタしている時間帯は要注意。
販売員が会計など手を離せないタイミングで、あえて試着に入るお客様もいらっしゃるからです。
空いているんだから別にいいじゃない。
お客様自身はこのようにあまり問題だとは思わないことが多いです。
アパレル販売員はフィッティングにご案内するとき、
- どんなお客様に
- どの商品を
- 何点お渡ししたか
このようなことをチェックしてからご案内します。
そのため、フィッティングに入りたい時には販売員に声をかけてほしい、ひそかにそう思っています。
このチェックを行うことで万引き防止になるだけでなく、混雑時にどの販売員が接客に入っても、試している商品を把握できるのです。
③試着室から長時間出てこない
悩んでしまうタイプのお客様は、試着に時間がかかることも承知しています。
そうは言っても「長い…」と思ってしまうことがあります。
お悩みならアドバイスを、と販売員から「いかがでしょうか?」と声かけしても「大丈夫です」とかたくなに出てきてくれない場合も。
販売員の意見を聞くより、自分のペースで考えたい。
お客様の気持ちはじゅうぶんわかりますよね。
しかし、販売員はそのお客様の対応が終わるまで、ほかの作業を進めることはできません。
1対1の接客を重視するショップでは、その間他のお客様にお声がけすることもできない場合があります。
相談してくれた方が早く解決しそうだけどなぁ…と思いながらも、販売員は待機するのみ。
ゆっくり考えて良い、そう思いながらも、実は困ることがあります。
試着待ちが出てしまったりすることもあり、焦る場面も。
④試着室に大量の商品を持ち込んで長時間試着
ショップによっては普段から試着に持ち込める点数を決めているブランドもあるかと思いますが、筆者のいたブランドは繁忙期以外は特別な決まりはありませんでした。
お客様によっては10点近くフィッティングに持ち込み、試着を繰り返す方がいます。
混み合ってきたらなるべく早く選んでもらおうと、積極的に接客に入りますが、
あれもこれも良いんだけど、悩んじゃって~、もう一度こっち着てみます!
と、なかなか決まらず1時間、2時間…と時間がかかってしまう方も。
悩んでしまって決まらないから、今回は考えます、なんて場合も…。
仕方ない、そんなこともある。
そうは思いつつも、販売員だって人間なので、メンタルが削れてしまうこともあります。
⑤グループで来店され、試着室を独占
お連れ様と楽しくショッピングしていただけるのはうれしいですが、1人試着に入るとお連れ様が私もこれ着てみよう!
と、次々試着室に入ってしまい、数人でずっと1つの試着室を独占してしまうことも。
他に試着待ちが出てくるタイミングで、一旦出てもらおうとするのですが、お友達が脱ぐタイミングでもう1人が一緒に入り試着してしまう、なんてこともあります。
試着待ちしているお客様の担当スタッフからも、
フィッティングをあけて。という無言の圧を感じたりもして気まずい空気になることも。
みんな売上獲得に必死なので、フィッティングの回転率は重要なのです。
⑥スタッフと世間話だけして帰ってしまう
商品の話ならともかく、世間話だけで長時間滞在し、結局そのまま帰ってしまうという方もいます。
仕事の愚痴や恋人の話など、天気の話から芸能人の話まで。
これって友達に話すことなんじゃ…と思いながら、さりげなく服の話をしようと誘導。
でも、そういうお話ってなかなか終らないんですよね。
これは今日はお帰り頂いた方がいいな、と思ってゆっくり出口の方に向かっても、店の前でまだまだお話がやまない、なんてことも。
気さくに会話してもらえることはとてもうれしいです。
しかしそうしているうちに、他の販売員はどんどん売れていると、焦りも感じ始めて苦痛になってしまうこともあります。
お客様を気遣う接客が得意な販売員ほど、この経験をしたことがある人が多いのではないでしょうか。
⑦何度も同じ質問をされる
これって何に合わせればいいんでしょう?
どっちが良いと思いますか?
このように質問してくれるお客様を対応するのは楽しいです。
販売員はお客様のためになるよう、言葉をつくしてアドバイスします。
アドバイスに対して「なるほど!じゃあこっちかなぁ。」と一旦は解決するのですが…。
なぜかまたどっちがいいですかね??と同じ質問をする方がいます。
1、2回なら、こちらの説明がわかりにくかったんだな、と思い説明し直します。
しかし4、5回続いてくると内心、「さっきから答えてるんだけどなぁ…何を望んでいるんだろう。」
こうして内心、接客はやく終わらないかなぁ、と思ってしまうことだってあります。
きっとお客様は不安な気持ちを解消するために、何度も繰り返し聞くのだろうと想像することはできますが、うそのアドバイスなんてしないので信じてほしい。
販売員の本音はこれではないでしょうか。
あまりにも同じ質問をされると、販売員も不安になります…
⑧質問するけど話を聞いていない
いっぱい聞いてくれるけど、なぜか話を聞いてくれないお客様、いませんか?
これはアッパー層のお客様が多いように思います。
質問には真摯に答えたい。
そう思って丁寧に説明をはじめますが、聞き終える前に全然違う話をされることも。
接客、必要ないのでは…?と思ってしまいますが、声はかけられるのでいかにつかず離れずをキープするかが重要。
ちょっと気疲れしてしまいます。
⑨接客中こちらの話をずっと否定される
この色素敵ですね。似合うと思いますか?
このような問いかけに対して
お客様は肌が白いので、この明るいカラーもきっとお似合いになりますよ
このように返答したとします。
するとすかさず、
いや、私この色に合わないんですよ。
このように質問したことに対しての返答を否定し続けるお客様がいます。
質問されれば、販売員はお客様に合うアドバイスをします。
しかしひたすら否定が続くと、なぜ聞くのか…と疑問に思ってしまいます。
素敵。そう思うけれど、似合わないから着ないのよ、という会話をしたかっただけなのか。
それとも似合わないと思うと言いながらも、販売員に否定してほしいのか…。
難しいところです。
⑩接客に割り込んで話しかけてきたお客様にずっと捕まる
お客様の接客中に、割り込んで声をかけてくるお客様がたまにいます。
試着良いですか?のようなさっと済ませられる話であれば、少し割り込もうと思うのは分かるのですが。
しかし、そうではない場合がたびたびあります。
この服素敵ですねぇ。これって何と合わせるんですか?
このような問いかけで、しっかりとした接客を求めて割り込む方がいます。
もちろん無視するわけにはいかないので、ついていたお客様に少々お待ちくださいと断って、質問に答えます。
しかしあまりにも長引くと、本来ついていたお客様がいなくなってしまったり、せっかくいい感じで接客していても他のスタッフに取られてしまうことも。
しかも割り込むお客様は筆者の経験上、買わずに帰る方が多かったです。
⑪宗教の勧誘をされる
筆者は2回勧誘の経験があります。
レアなケースかなと?思っていたのですが、他の販売員に勧誘された話をすると、私もされたことあるよー。
と言われることが何度かあったので、意外とあるんだと思い、挙げまてみました。
- 接客が上手くいき、満足して服を買ってくださった方から終盤で勧誘されるパターン
- 何度か通っていただいた方から勧誘されたパターン
宗教に何のこだわりもない筆者にとっては戸惑い、どう会話していいかわからなくなってしまいました。
⑫他店販売員の愚痴を言われる
他ブランドや同ブランドの他店舗の話をされることも意外とありますよね。
こういうお客様も中にはいるんだな、ということを販売員になってから気づきました。
とくに自社ブランドの他店スタッフの話をされると困ってしまいます。
下手に共感はできないですし、そういうお話をされるお客様は、お客様自身に少し問題があることがほとんどでした。
お客様を刺激せず、話題を変える必要があるので頭を悩ませてしまいます。
お客様に好かれてしまっても、嫌われてしまっても困るパターンです。
⑬悩み中なので取り置きしてほしいと言われる
- 今決められないので、とりあえず取り置きして
- 他のブランド見て悩みたいので取り置きして
気軽に取り置きを希望されることがありますが、シンプルに嫌だなーと思います。
購入が決定しているけれど、今すぐ購入できないから、取り置きをする。これがショップの考える取り置きのルールです。
どうしても用事があって、荷物を持っていけないから、などどうしようもない状況の場合ですね。
悩んでいる間になくなったら悲しい。
そう思う気持ちはとても理解できます。
しかし、ショップは確実に購入してもらえる方に買ってもらいたい、そう考えます。
悩んでいる場合、お客様にとって本当は必要なものではない可能性も高いです。
今買う、という決断にならないということは、いったん考え直してもらう方が、後悔のない選択をしてもらうことができます。
⑭返品前提で商品を購入しようとする
これにします!と即決されるお客様には、念のため試着をおススメしますが、めんどくさいからいい。という方が多いですよね。
大丈夫、ダメだったら返品にくるから!
そうおっしゃるお客様がいますが、それだと困るから今、フィッティングしてください!
このように思ってしまいます。
ダメだったら返品する、という宣言通りになる確率がかなり高いです。
返品不可であることを伝えて、悩むようであれば心が決まるまでお考えになるのはどうでしょうか?と引き留めるのがいいかもしれません。
⑮お客様都合の返品
- 帰ってから合わせてみたらなんか違ったので。
- 合わせようと思った服にしっくりこなかったので。
そう言われても、そこまでの責任はこちらも取れない。そう思うのが本音です。
そもそも合わせたい服があったなら、それを着てきて合うものを探してもらえたらな…と思ってしまいます。
お断りする際は、販売員も心苦しいのでできれば避けたい困った行動です。
返品できないとわかっても引かないお客様の場合、ショップが折れるしかないのも事実。
それでも再発しないために毅然とした対応が大切です。
⑯取り置き期間が過ぎても来店なし。電話をしてもつながらない
取り置きを過ぎても来ないパターンはアパレルではあるあるですよね。
最後の1点だったりすると、他にも欲しいお客様がいたのに…と本当にがっかりしてしまいます。
お取り置きした商品は、購入前提であることがまず第一。
それでもどうしても都合が悪くなってしまったり、用事がなくなり、服を必要としなくなってしまった。
そういうことがあるのもわかります。
取り置き商品のキャンセルはショップに連絡してもらえるのがマナーです。
いらっしゃらなかった場合はショップからお電話します。
電話に出てもらえない場合、やむを得ず商品は店頭に戻すことになります。
数日経ってから来店して、取り置きしてたんだけど、というお客様がまれにいますが、ショップは対応できません。
期間が過ぎているので戻したと伝えると、不満そうにされますが、マナーを守れない方には購入してもらいたくないと思うのが販売員の本音です。
こちらからお電話するときは、不思議な緊張感がありますよね。
⑰電話で長時間拘束される
お客様からショップに、商品の問い合わせの電話をいただくことも多々あります。
お客様によってはオンラインサイトで商品のチェックをされており、店頭にあるのかという問い合わせも多くあります。
その際に
あれもこれも、ないなら他の店舗にはないのか。
そもそもかわいいけど悩んでてー。
こんな感じで電話対応が1時間近くかかる方もいます。
オンラインサイトを見ていれば、店舗在庫も他店在庫も載ってるサイトが多いのではないでしょうか。
悩むなら、試着した方が確実なので、お電話で長時間悩むより、ショップに来てほしい。
電話対応しながらそう思ってしまうことも。
そうこうしているうちに肝心の店頭の手が回らないほど忙しくなっている、なんてこともあり、販売員はもやもやが募ります。
⑱他のお店で買った商品を預かってという
自店で商品を購入された方ならともかく、接客したけど一旦悩みたい、などの理由で購入されていない方に、
この荷物夕方まで預かってほしい。と言われると、純粋になぜ?と思います。
ショップはロッカーではないですし、仮に預かって何かなくしてしまった、壊してしまったとしても責任は負えません。
ロッカーを用意している館も多いので、ぜひそちらを使ってもらいたい。そう思っています。
⑲ゴミ捨てておいてくださいと言われる
ゴミを捨てておいてほしい。
意外といわれることが多いです。
なぜ?と思ってしまいますが、飲み終わったドリンクのカップやお菓子の包み紙など、アパレルショップでは出ないであろうゴミを渡されても困ってしまいます。
⑳飲食しながら商品を見る
ウィンドウショッピングを楽しむお客様の中には食べ物や飲み物をもって来店されるケースもありますよね。
買った食べ物や飲み物を持ち込まれるところまでは仕方ないと思っても、店内で普通に飲み食いされてしまうと内心困ります。
ドリンクがこぼれるかも…
その食べ物を触った手で商品を触るの?
不安になり他の方の接客に集中できません。
できればショップに入る前に飲食は終わらせておいてほしいと思いますが、持ち込む場合はショップを出てから飲食してもらえるとありがたいですね。
外国人のお客様も飲食しながら入店される方、多く感じます。
まとめ
以上、内心困るなぁ、と思うお客様あるあるでした。
アパレル販売員の経験がある方には、わかる!というものがあったのではないでしょうか。
アパレル販売員も人間なので、あまりにもちょっと…と思うことをされると、明るく接客することが難しくなりますよね。
良いお客様だな、そう思える方にはより良い接客をしたいし、そうじゃないお客様には相応の対応になってしまうこともあります。
販売員側からはなかなか避けられないことも多いですが、双方が気持ちよく過ごすためにも、
お客様の要望をすべて聞き入れるのではなく、できること、できないことの対応を明確にしていけるといいですね。