アパレルショップの販売員って、いつも明るいし、コミュニケーション力も高くて、きっとスタッフさん同士も仲がいいんだろうな
アパレルの仕事って、ノルマがあると聞くから実際ギスギスしそう
アパレル販売員の人間関係と聞くと、想像するのはどちらの印象でしょうか?
社交的に見えるアパレル販売員は、どんな人とも楽しく過ごせそう。
客観的に見るとそんな感じがしますよね。
リアルにお話しすると、「そんなに仲良くない」というのが正解といえます。
この記事では実際に筆者が感じていた、アパレル業界の人間関係についてまとめました。
今人間関係に悩んでいるアパレル販売員や、これからアパレル業界に入りたいと考えている方にとって参考になればうれしいです。
この記事を書いたのは▼
筆者について |
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アパレル歴11年 百貨店 駅ビル ショッピングモールのあらゆる店舗で勤務 後半2年半はチーフとしてマネジメントを経験 |
目次
人間関係で悩むアパレル販売員はけっこういます
今日はBさん、売り上げ取れてないから機嫌悪いなー。関わらないようにしよう
働いているとこんな言葉を聞く日も正直なところ結構、いや、かなりあります。
筆者も11年アパレルの仕事をしておりショップ異動も経験していますが、どこの店舗でも多かれ少なかれ人間関係でもめていることはありました。
苦手だなと感じた人もいたので、出勤するのが憂鬱だったこともあります。
友人や親から、「アパレルは女性が多いから人間関係が大変そう」そう心配されることもあり、それに対して「そんなことないよ」とは言えなかったのが現状です。
自分が働いてみて、アパレルショップの人間関係はむずかしいと感じることが多かったです。
そこで、何故むずかしいと思ったのか、理由をご紹介します。
アパレル販売員の人間関係がむずかしい理由
どんな仕事でも誰かと揉めてしまうことや、合う合わないの問題が出てきてしまうことはありますよね。
アパレル販売員に限らないのでは?
そう思われるかもしれません。
しかし、アパレル販売員ならではの人間関係の難しさがあるので、アパレル特有の難しさをご紹介します。
アパレルは売り上げ目標があるのでもめやすい
ショップによっては個人ノルマとして個々に課せられたノルマがあります。
また、ノルマがないショップも大抵は個人目標が設定されるショップがほとんど。
チームで売り上げを目指すはずが、気づいたら敵のような感覚に陥ることがあり相手の挙動が気になってしまうことがあります。
常に競い合いのような雰囲気になってしまって、ギスギスする大きな理由の一つでした。
しかも一度このような感覚になると、そこから改善するのはかなり難しいはずです。
筆者のいたショップは自分以外の売り上げもチェックできたので、勝手に見られてライバル視されることもありました。
自分よりも売れている販売員がいると機嫌が悪くなったり、落ち込んでネガティブな気持ちを周囲にぶつける販売員も。
しかしまだマシな方で、自分の売り上げを伸ばすためお客様を横取りしたり、他のスタッフの売り上げを自分の名前で打ったりするスタッフもいます。
店長は、競争はむしろ良いこと!と問題視することはなかったので、働いていてかなり苦痛に感じていた点でした。
競争をバネに頑張れる販売員ももちろんいますが、あまりいい結果にならないことの方が多かったです。
アパレル販売員はベテランスタッフに気を遣う
筆者のいたアパレル会社は、定年まで働いているスタッフがいるくらい、ベテランの多い会社でした。
そのため30代になって役職がついても、社歴は下だからという理由で先輩方に気を遣うという場面がとても多かったです。
・先輩が何かミスをしたら、フォローに入る
・先輩が売り上げを取ればさすがですね!と声をかけに行く
・自分の方が売り上げが取れている日は「前に教えてもらった方法で接客したら、うまくいきました!」など持ち上げるポイントを探す
こんなことを考えて仕事をしていました。
今思えばそこまでする必要なんてなかった、そう思います。
しかし、ショップ内の空気を悪くしたくないし、店の予算があるから。
そう思って割り切って接していたことなので仕方なかったことです。
お客様と向き合いたいのに意識を向けるのは他の販売員になってしまう、ということにジレンマを感じることがたくさんありました。
エリア内他店のベテランスタッフにも会う機会や電話を受けることがあるので、他のショップの先輩にも気を遣うことが多かったです。
アパレル販売員の噂話が広がってしまう
ショップ内で起きた問題や、何かやらかしてしまったスタッフの話がいつの間にかショップ全員に広まっていることがよくありました。
しかもショップ内にとどまらず他店にもその話が伝わっていることも。
関りのない他所のショップスタッフにまで「この人はこういう人」というレッテルを張られてしまうスタッフをたくさん見てきました。
長く働いているスタッフは他所のショップのスタッフとつながっている人も多いので、そこから話が広がるパターン。
もしくは上司が他店に行くときに、問題をおもしろおかしく話してしまったことが、噂を広げる原因でした。
やはり女性が多いからか、良い話も悪い話もとにかく伝わるのが早く、エリア内の人間のことはみんな知っているという状況でした。
少人数のアパレル販売員が働くため、合わない人と距離を取りにくい
筆者が経験した一番大きなショップは、スタッフが最大15人くらい在籍し、1日に6〜7人ほどが出勤していました。
逆に小さいショップだと最大4人在籍で、1日を2人で回す日も多かったです。
毎日関わる人数が少ないので、その中で仕事を回さなくてはいけません。
どれだけ苦手と思う人でもかならず関わるタイミングができてしまい、出勤するのが苦痛になることも。
「私はわたし、あの人はあの人」。このように割り切ることはなかなか難しかったです。
アパレルで人間関係が良いと感じることはあるの?
アパレルショップの人間関係はむずかしいと思う点を挙げてきました。
それでは、アパレル販売員はみんなギスギスしてるの?
このように疑問を持つ方もいるはずです。
もちろん、楽しく過ごす瞬間もあれば仲のいい販売員もいます。
本当に出会えてよかった、そう思うこともたくさんありました。
そこで、11年アパレル販売員の仕事をした中で働きやすいと思ったことをご紹介します。
共感力の高いアパレル販売員が多い
いろんなお客様を相手するアパレル販売員は、コミュニケーション力が高い人がほとんどです。
コミュニケーション力はお客様に対してだけに限らず、スタッフ間でも活きてきます。
・大変なお客様を相手にした後
・売り上げがうまく取れなくてアドバイスを貰うとき
抱えていた仕事が大変だった時には、共感して理解してくれる販売員がいると本当に救われます。
一気に肩の荷が下りて、その瞬間から笑い話に変えてしまう威力があるんです。
・自分の頑張りが伝わったとき
・うれしい出来事があったとき
一緒になって盛り上がってくれると、本当にこの人と働けて良かったと思えます。
同じ温度で喜べる販売員が多いので、心から嬉しいことをうれしいと思えるんですよね。
周りをよく見ているなーと思うスタッフがたくさんいるので、極端に嫌いあっていない限りはフォローし合って仕事ができる場面もあります。
アパレル販売員はチームワーク・団結力が高い
少人数の売り場で予算を目指していくので、ここぞという時の団結力は高いです。
ショップ予算を取れる売り場は一目置かれるので、予算を目指して協力することはよくあります。
ショップによってはお客様の入店が偏って、極端に多い時間帯があったりします。
少ないスタッフでうまく売り場を回すことができると乗り切った後にスタッフ同士で称え合ったりしてお互いを認め合えるのです。
アパレル販売員をやっていて達成感を感じるポイントのひとつではないでしょうか。
一緒に乗り越えられるものがあるとよりチームワークも高まり、徐々に売り場の雰囲気が良くなる場合もあります。
アパレルで人間関係をどう乗り切れば楽しく働ける?
この記事でお伝えした人間関係の大変なことを、そのまま受け止めなくてはいけないのかというとそうではありません。
少しでも良くなるような回避方法や、人間関係に対する考え方を変えていくことができるのでその部分についてお話します。
もしあなたがアパレルの世界でがんばりたい、これからアパレルの仕事を目指したいと思うのなら、ぜひ参考にしてみてください。
周りからの売り上げの評価を気にしない
他の人はさほど自分に興味がない。そう思って周りの評価を意識しないということが大切です。
上司からのフィードバックや面談で、売り上げを取っていくためにアドバイスを貰うことがあると思うので、そういう場面ではしっかり話を聞く必要があります。
しかし、他のスタッフからの妬みやマウントは一切気にしない。そう自分自身に言い聞かせるだけでも、周りのスタッフの目が気にならなくなってきます。
いかにショップの予算を取るために動けるか、昨日の自分よりもがんばって動けているか。これを軸に考えていけば、他のスタッフと自分の線引きをしやすいです。
他のアパレル販売員の聞き役に徹する
少人数だと苦手なスタッフと関わらない、ということもむずかしいので、会話しなくてはいけない状況なら、聞き役に徹してしまうというのは一つの手です。
ただ言ってることを聞く、というのではなく、こちらに話題を振られる前に
Aさんはどう思いますか?
このように相手の話を聞く姿勢でいると深入りすることなく、その場を乗り切ることができます。
アパレル店内でできる仕事をひたすら探す
閑散としている時間でも何かできる仕事を探して、とにかく動いていること。
接客以外の時間も集中して業務に打ち込む姿は他のスタッフにも良い影響を与えることができるし、上司からの信頼も得ることができます。
頑張りは先輩方も見ていてくれるので、売り場の中で一目置かれる存在になることができます。
例えば暇な時間にひたすら動的待機しなくてはいけない状況でも、
店頭でできること |
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サイズ順に並べなおす |
ハンガーの感覚を整えていく |
ごみや繊維がついていたらきれいに取っていく |
靴にほこりがたまっていないかチェックする |
床にほこりがあるならモップをかける |
やれることは無限にあります。
小さなミッションみたいな感覚で、ちょっと楽しみながら仕事に向き合うこともできるのでおススメです。
アパレルはやっぱり人間関係が大変と思うなら転職もあり
自分の行動を変えてみたり、考え方を変えてみてもやっぱりつらい…
そう思うなら、思い切って転職することもおススメです。
人間関係は環境が変わればまったく違うものになります。
苦しいと思ったまま働き続けるよりも、合う場所を探していく方が将来に明るい未来が待っています。
今はたくさんの転職サイトがあるので、自分に合った職場環境や待遇を相談できる手段があります。
同じアパレル業界だけでも、他の企業に行けば環境が全然変わって来るので、職種を変えることに抵抗がある人にも、転職はおススメの手段です。
アパレル人間関係まとめ
この記事では、アパレルショップで働く上で、リアルな人間関係について説明しました。
現職で働くアパレル販売員さんにとっては、あるある!と思える話もあったかと思います。
これからアパレルを目指す人にとっては、不安に思う内容もあったのではないでしょうか?
働いてから後悔しないためにも、事前に雰囲気や対策を知ることは大切です。
この記事を見て、これからのアパレル販売員としての働き方に役立ててもらえたらうれしいです。