アパレル販売員になったものの
お客様に安心してもらえる接客がしたいなぁ
こんな悩みを持つ販売員さんはたくさんいるはず。
初対面のお客様に声をかけに行くのは、アパレル販売員にとってドキドキする瞬間ですよね。
売りたい、という気持ちよりも先に、お客様に嫌がられないか不安になることは誰でも経験します。
この記事ではアパレル販売員の接客をするときに緊張してしまう、という悩みについてこたえていきます。
この記事でわかること |
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接客で緊張する理由と緊張しなくなる方法 |
接客が楽しくなる方法 |
上記の内容をそれぞれ説明します。
この記事を書いたのは▼
アパレル販売員歴11年
百貨店
駅ビル
ショッピングモールの様々な店舗を勤務
後半2年半はチーフとしてマネジメントを経験
筆者が初めて勤務したのは百貨店のショップです。
アパレル販売員の中でも1人のお客様にじっくり接客する百貨店での経験は、接客の基礎を勉強できました。
2つ目の勤務先は駅ビルにはいっており、かなりの入店数があるブランド。
百貨店とは違い、絶え間なく入店されるお客様に次々ついて回転率を上げていく、
まったく違う接客方法を学びました。
どちらの勤務もそれぞれの大変さがあり、接客時は毎回緊張しながら声かけしていた記憶があります。
本当に仕事に行くのがいや、そう思ってしまうくらい接客が憂鬱に感じることもしばしば。
それでも、ある時から緊張する接客の中で楽しい!と感じるようになったのです。
楽しいと考えられるようになってからは、お客様の役に立てたという実感も持つことができ、自信につながりました。
そんな筆者の体験も交えながらこの記事を書いたので、今、接客に緊張してしまう、というあなたのお役に立てればうれしいです。
緊張をほぐして楽しく接客しましょう!
接客で緊張する理由6つ
接客で緊張してしまう理由はこちら▼
緊張する理由 |
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毎日違うお客様を接客するから |
ファーストアプローチで無視されることがあるから |
お客様に合わせた空気を読むのが難しいから |
中には高圧的なお客様がいるから |
新人時代は知識が浅いから |
ノルマ達成のため、売らなきゃ!という焦りがあるから |
あなたはどれが一番ネックでしょうか?
楽しく明るく接客したい!という気持ちと、緊張からぎこちなくなってしまう現実で、がっかりしてしまう場面、きっとありますよね。
まずは緊張してしまう理由について1つずつ説明します。
毎日違うお客様を接客する
来店されるお客様には色んな方がいます。
販売員はお客様がどんな性格か、どんな気分でお店に来たのか、好みや会話のペースも何もわからない状態で接客に入らなくてはなりません。
日常生活の中で、初対面の人に自分から話しかけていくという体験はなかなかしないですよね。
そのため、最初の声かけがとても緊張します。
こう感じる方は、その感覚が正解です。
声かけをして不機嫌な反応をされてしまったら、もうそのあとの接客が嫌になってしまいます。
アパレル販売員も人間ですから、当然の反応ですよね。
しかも、1人接客が終わってもまた新しいお客様に声をかけに行かなくてはなりません。
気持ちが休まる隙が無いので、ストレスに感じるのも無理はないです。
ファーストアプローチで無視されることがある
勇気をだして多くのお客様に声をかけるものの、スルーされてしまうことも多々あります。
視線をそらされてしまったり、そもそも見てすらもらえないことだってあります。
無視は、シンプルにへこみますよね。
こんなことを考え始めたら止まらなくなり、どんどんネガティブな気持ちに引っ張られてしまいます。
そしてその気持ちを引きずったまま次の接客に入るので、自信のなさがお客様に伝わりまたスルーされてしまう。
いやな流れのまま、緊張状態が続いてしまうことも。
お客様に合わせた空気をよむのがむずかしい
反応はあるものの、リアクションがわかりにくいお客様もいますよね。
そんな時は、
・気を使って反応してくれているけど、本当は声をかけてほしくないのか?
・接客に緊張してしまうタイプなのか?
・普段から落ち着いたテンションなのか?
販売員にとってなかなか読み取ることがむずかしいですよね。
相手の気持ちが見えない分、不安感も強くなります。
徐々にこういう性格のお客様なんだと理解できれば、そのあとはスムーズに接客することもできます。
しかし、それまでが長く感じてしまいますね。
中には高圧的なお客様がいる
販売員に対して高圧的なお客様も、中にはご来店されます。
そんな時はいつも以上に気を配ることが必要です。
しかしこわいと感じてしまったら余計に萎縮してしまい、いつもはやらないミスをしてしまって怒らせてしまった、なんてことも起こりえます。
一旦それを経験してしまうと、次にくるお客様も高圧的だったら…と不安になって、接客を必要以上に怖がってしまうことも。
どのお客様とも楽しく会話して、たのしくお買い物してほしい。そう思う販売員がほとんどですが、お客様次第ではむずかしい時もありますよね。
新人のころは商品知識が浅い
入りたての頃は、ブランドについての知識がまだ深まっていないことがほとんどです。
商品量が多かったり、新作入荷のスピードが早かったり、イベントがこまめにあったり。
覚えることがたくさんある中で接客にあたります。
サイズ感
合うコーディネート
素材知識 など
パッと見ただけではわからないことをお客様に伝える必要があります。
自分の知識が浅いうちは自信がないですし、常連のお客様の方が詳しかった、なんてことも起こり得ます。
知識は身に着けてしまえば自然と自信につながるので、時間が解決する問題です。
それでも新人時代は慣れるまで、ストレスに感じやすいポイントですよね。
ノルマ達成のため、売らなきゃ!という焦りがある
これは多くの販売員が特に気にしてしまうポイントのはずです。
色々考えながら接客にはいりますよね。
知らず知らずのうちにプレッシャーが大きくなり、気づいたらずっと緊張状態ということもあります。
販売員は売ることが第一のお仕事なので、数字が伴わないと緊張は消えません。
売りたい!が強くなって、接客の中で本来の実力を発揮できず、フラれてしまう。
悲しいですがこんなこともあります。
以上が緊張してしまう理由を6つです。
きっと、この記事を見てくれているあなたにも、わかる!と思うポイントがあったのではないでしょうか?
緊張することはわるいことではありません。
むしろ、接客をより良くしたい、そう思うまじめな人ほど緊張してしまうはず。
だからと言って緊張してもいいよ!そういわれても、できれば緊張せずに接客に入ることができるのが一番良いですよね。
ここからは緊張を緩和するための考え方についてお話していきます。
緊張しない方法6つ
緊張していると感じたら、考え方を変えてみるのが緊張を解く秘けつです。
緊張を回避する方法はこちら。
緊張しないための考え方 |
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声かけ回数はゲーム感覚で増やしていく |
ファーストアプローチは無視されて当たり前 |
売れなくてもそれが普通 |
緊張をなくそうと考えない |
ファッション知識を深める |
他のスタッフに頼る |
一生懸命頑張るアパレル販売員さんほど、意識してほしい6つの考え方を挙げました。
1つずつ説明します。
声かけ回数はゲーム感覚で増やしていく
ガチガチに仕事なんだからと思うと、絶対上手くやらないといけない。
そう思ってしまいませんか?
プレッシャーが緊張になっている時には、あえて声かけをゲームだと思ってみてください。
そうすることで1人に声かけが響かなかったとしても、すぐに次にいこう!と気持ちを切り替えていきやすいはず。
筆者が意識してやっていたことは、
この1時間で10人に確実に声かけする!
今日一日でスタッフの誰よりもたくさんのお客様と話す!
こんな感じで接客の中身はさておき、声かけをたくさんできたから今日はがんばった!
そう思えるように店頭に立っていました。
ゲームのタスクをこなすように、クリアできれば達成感があります。
クリアできなくても、自分で考えたゲームだから、また明日クリアできたらいいよね。
そうやって気軽な気持ちで店頭に立つことを意識していました。
この方法で単純に場数をこなすことができて、自然とスルーされても気にならないようになりました。
気軽な気持ちでいることが重要!
ファーストアプローチは無視されても当たり前
ファーストアプローチは無視されて当たり前と思って問題ありません。
初めにかける一言目はお客様の反応を見るために、ライトな声かけから始めることが多いはずです。
お客様は店内を見始めたばかりだったり、気になるものを見つけたけどまだ買うかわからないし、
といきなり接客をもとめていない方は多いですよね。
買うかわからないから、スタッフを独占して接客してもらうことに抵抗がある優しい人もいます。
そうなるとファーストアプローチは反応が薄いお客様や会釈ですませてしまうお客様だって、もちろんたくさんいらっしゃるんです。
ファーストアプローチは反応がなくても、むしろ自然な流れだと理解するだけで、へこんでしまうことは少なくなるはず。
売れなくでもそれが普通
あなたはお買い物をするときに、気になるものを即決するタイプでしょうか?
アパレルショップに入ったら、必ず何か買い物をしていきますか?
もちろん上記で上げたような人もいると思います。
しかし、
・色んなショップを見てから好きなものを決めたい
・下見をしてから数日検討して買い物をしたい
・今は何がトレンドなのか、ウィンドウショッピングをしたい
こんな風に思う人もいるのではないでしょうか?
お客様目線になると、買い物なしでショップを見て回ることってたくさんあるなぁと思います。
ということは、販売員がいくら接客しても、検討になるケースだってたくさんありますよね。
どれだけ丁寧に接客しても、楽しんでもらえたとしても、買わないときは買わないです。
ちゃんと売れるかな?また失敗するかも。
そんな不安はもたなくて大丈夫です。
お客様はご自身のタイミングで買いたいときは買うし、今は買わないと決めてらっしゃることがたくさんあります。
アパレル販売員の技量ではどうにもできない部分です。
緊張をなくそうと考えない
言ってることが逆じゃないか、そう思う方もいるかもしれません。
しかし緊張しなくていいんだよ。
そう言ってもやはり色々なお客様がいるので、まったく緊張しないということはむずかしいですよね。
自分とはタイプの違うお客様の接客に入ることもあります。
そんな時に緊張しちゃだめだ!
そう考えるとむしろ苦しくなってしまいます。
緊張したらそれはそれで、仕方ないと割り切ることも必要です。
今緊張してるな、と冷静に理解しておくことが大切。
売り上げを取るために、この人を逃したくない!そんな緊張もあります。
売り上げを取りたいと思って接客に入るのは、あなたがそれだけ仕事に真剣に向き合っている証拠。
ぜひ堂々と接客してくださいね。
ファッション知識を深める
緊張してしまう要因の一つに、知識不足があります。
・自分の働くブランドに対しての知識不足
・トレンドの知識不足
さらに細かく考えると、
・素材についての知識不足
・お直しに関しての知識不足
このような少し専門的な内容で自信がないこともあるかもしれません。
これらは、知識を身に着ければ自然と不安がなくなり、緊張しなくなっていきます。
努力で改善できる部分になるので、まじめな人ほど不安を解消しやすい分野になります。
お直しなどは、受ければ受けるほど経験値になるので、怖がらずにトライすることが大切です。
ファッション知識が深まると、お客様に頼りにされたり、話が盛り上がったり、楽しい!と思える接客が増えていくので、
緊張も自然となくなってしましいます。
他のスタッフに頼る
接客が上手くいかないときや、声かけがフラれ続ける時。
こんな時は周りのスタッフに頼ってしまいましょう。
あなたの調子が悪い時に、他のスタッフは上手くいっているかもしれません。
他のスタッフが調子がいいと、むしろ焦りが出てしまう人も多いのではないでしょうか?
でも、売り場にいるスタッフはあなたの仲間です。
その日ショップ予算を取るためのチームになるので、他のスタッフが調子がいいなら、
・アドバイスをもらう
・上手くいっているスタッフのフォローに回る
・元気づけてもらう
このようにぜひ協力してもらいましょう。
そうすることでチームで数字を取ることが楽しくなり、ポジティブな気持ちで接客に向き合えます。
頼られるスタッフは自己肯定感が高まるので、どちらにとってもプラスになります。
以上が接客で緊張しなくなる方法です。
まったく緊張がなくなるということはないはず。
しかし、考え方次第で緊張も前向きに捉えていけるようになります。
接客が楽しくなる方法3つ【顔見知りのお客様をふやそう】
緊張を和らげることができるようになったら、次は接客を楽しみたいですよね。
接客を楽しむためのポイントはこちらの3点です。
接客を楽しむコツ |
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接客がうまくいったお客様の顔を覚えておく |
接客に世間話を混ぜてみる |
売ろうとしない |
このポイントは接客が楽しくなるだけでなく、実際売れるようになるコツでもあるので、1つずつ説明します。
接客がうまくいったお客様の顔を覚えておく
あなたが接客でうまくおススメできたと思えるお客様は、あなたと相性が良いお客様である可能性が高いです。
相性が良いお客様は、自然体で接客することができるので、お客様にも心地よく過ごしてもらえます。
お客様の顔を覚えておけば、次回来店されたときにこちらから声をかけやすいですよね。
こんな少し踏み込んだアプローチもできて、お客様も
あの時のスタッフさん!
と気づいてくれます。
安心感を持って接客を受けてもらえれば、緊張よりも楽しさが上回る接客ができるはずです。
接客に世間話を混ぜてみる
売り上げを意識すればするほど、商品の話ばかりしてしまいがち。
そこであえて関係ない世間話をすることは、売り込まれている、というネガティブな意識を変えることができる大切な接客です。
こんな簡単なお話でもOKです。
今ちょうどやんでたよ!
まだひどいから時間つぶしにぶらぶらしてます
このように何か反応してくれることが多いです。
その反応に合わせて、
「時間つぶしの方にはぐいぐいおススメしていくよりも、色んな商品をご紹介するくらいにしよう」
などお客様に合わせた接客ができるようになります。
ショップに来たら買わなきゃいけない。
そう思ってしまうお客様の気持ちをほぐす効果的な方法です。
売ろうとしない
売らなきゃ!売りたい!が強くなると緊張感が増すだけでなく、独りよがりな接客になることがあります。
そうなるとお客様に避けられてしまったり、スルーされてしまうことも。
あくまでもお客様の相談にのる、気持ちに寄り添うということが大切です。
これは筆者の体験ですが、購入するかどうかすごく悩むお客様にあたる時。
あえて他ブランドで近いものを取り扱っていることを伝えて、そちらも見てみるのが良いかもしれない、と比較検討おススメするようにしていました。
そうするとお客様は、親切に相談にのってくれてありがとう。そうしてみます。
そう言って一度ショップを出られる方がほとんど。
しかし最終的には自店に戻ってきてくれるお客様が想像よりもかなり多かったです。
これはお客様に安心感を方得ることができたから。
やっぱりさっきのお店で買おう。そう思ってもらえました。
「やっぱりこちらがよくて戻ってきちゃいました。」
そんな嬉しいお言葉をいただく体験を何度もしました。
そんな時はお客様の役に立てた、そう思うことができてうれしい気持ちになります。
そういう経験の積み重ねが接客を楽しむためのコツです。
まとめ
この記事では緊張する理由としなくなる方法。そして、接客を楽しくする方法についてお話ししました。
接客の仕事はお客様と直接関わる分、技術や知識が必要です。
緊張感が少ない方が、良いパフォーマンスをすることができます。
緊張感をいかに和らげて、お客様に心地良い環境を提供できるかは、アパレル販売員の心構え次第。
接客に緊張してしまう人も、接客の楽しさがまだ見つからない人も、この記事を参考にして、アパレル販売員を楽しんでもらいたいです。